看護師の中には、日々の業務の中で、「患者にもっと深く寄り添いたい」と感じる方もいるのではないでしょうか。実際のところ、忙しい現場であるほど一人ひとりに向き合うことは難しく、もどかしく感じる場面が多くなるものです。そんな患者さんとじっくり向き合いたい看護師に向けて、最適な現場をいくつかご紹介しましょう。
まずは、患者さんが住み慣れた自宅で療養を続けられるよう、支援する訪問看護です。訪問看護師は、定期的に患者の自宅を訪問し、医療処置だけでなく、食事や入浴の介助、生活指導など、幅広いケアを行います。患者の暮らし全体を把握し、ご家族も含めて長期的にサポートできるため、深い信頼関係を築くことが可能です。一人ひとりの生活、人生に寄り添った看護を提供したい方は、大きなやりがいを感じられるでしょう。
次に挙げられるのが、がんや難病など、治癒が難しい患者の苦痛を和らげる緩和ケアです。ここでは、病気そのものを治すことだけでなく、患者やご家族の身体的・精神的な苦痛を軽減し、その人らしい時間を過ごせるようにサポートします。患者の人生観や価値観を尊重し、最期まで尊厳を持って過ごせるよう支える看護は非常に奥深く、貴重な経験として心に残るものとなるでしょう。
そして、闘病中の子どもたちを支える小児病棟も、患者に深く寄り添える現場です。特に闘病中の子どもは、大きな不安と寂しさを抱えているため、側で見守り、声をかけつつ寄り添うことが求められます。
また、子どもは自分の症状や気持ちをうまく言葉で表現できないため、わずかな変化を読み取る高い観察力と、遊びや話しを通じて信頼関係を築く力も必要です。また、不安を抱える親御さんのサポートにも入ります。まさに、家族みんなに寄り添い、家庭全体を支える看護といえるでしょう。